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解説記事 / halving

ビットコインの半減期とは

ビットコインの半減期はいつ?約4年ごとにマイニング報酬が半分になる仕組みと、2012年から次回2028年までの半減期一覧、希少性・価格への影響を中立的に解説。

約10分

記事概要

Bitcoinには、誰も会議を開かなくても210,000ブロックごとに新規発行を半分へ進める時計が埋め込まれています。

理解の手がかり

一定数の箱を配るたび、次の箱に入る枚数が半分になる自動販売機を想像すると、発行曲線の形が見えます。

比喩の限界

blockの生成間隔は一定ではないため暦上の日付は予測です。また、供給の変化が価格上昇を機械的に引き起こすわけではありません。

予測できる供給scheduleと、予測できない市場反応を同じものとして語らずに済みます。

用語で迷ったら →
この記事の目次8章

01主要な事実

主要な事実の比較表
項目
周期210,000 ブロック(約4年)
これまでの実施回数4 回(2012 / 2016 / 2020 / 2024年)
現在のブロック報酬3.125 BTC(2024年4月20日の第4回半減期以降)
次回(第5回)ブロック 1,050,000・2028年春頃の見込み(報酬 1.5625 BTC)
半減の総回数33 回。以後の報酬は 0 satoshi(2140年頃)
年間の新規発行率約 0.84%(第4回半減期以降)
発行済み比率上限の約 95.6%(2026年8月時点)

周期・ブロック高・報酬額はプロトコルで確定した値です。次回の時期はブロック生成ペース次第の見込み値であり、発行済み比率は時点依存の数値です。価格に関する記述は本記事では実績の記録にとどめ、将来の値動きの予想は行いません。

02半減期とは何か

半減期(Halving / Halvening)とは、ビットコインのマイニング報酬が半分になるイベントです。210,000ブロック(約4年)ごとに自動的に発生します。

ビットコインの総供給量はおよそ2,100万BTC(正確には20,999,999.9769 BTC)に固定されています。半減期は、この上限に向けた発行ペースを段階的に減速させる仕組みです。端数が出る理由は発行スケジュールの記事で詳しく扱っています。

これはサトシ・ナカモトがビットコインのコードに最初から組み込んだルールです。厳密に言えば、ハードフォーク(後方互換性のないルール変更)を行えば技術的には変更可能です。ただしそれには利用者・マイナー・取引所・ウォレット事業者を含む圧倒的多数の合意が必要で、供給上限はビットコインを保有する動機の中核にあたるため、事実上は合意が成立し得ない事項と考えられています。金の採掘量が徐々に減少するように、ビットコインも時間とともに希少性が増す設計です。

03半減期の一覧(スケジュール)

過去 4 回の半減期と次回予定を一覧にまとめます(当時の価格は参考値・概数)。

半減期の一覧(スケジュール)の比較表
日付ブロック高報酬の変化当時の価格(概数)
第1回2012年11月28日210,00050 → 25 BTC約12ドル
第2回2016年7月9日420,00025 → 12.5 BTC約650ドル
第3回2020年5月11日630,00012.5 → 6.25 BTC約8,700ドル
第4回2024年4月20日840,0006.25 → 3.125 BTC約64,000ドル
次回(第5回・予定)2028年春頃1,050,0003.125 → 1.5625 BTC

次回(第5回)はブロック1,050,000で発生し、時期はブロック生成ペースに依存しますが2028年春頃と見込まれます。最後のビットコインが発行されるのは2140年頃と推定されています。

04供給曲線

ビットコインの発行スケジュールは完全に予測可能です。これは法定通貨(中央銀行が裁量で増刷できる)と根本的に異なる特性です。

2026年3月上旬に2,000万枚目のビットコインが発行され、上限の約95.2%に到達しました。その後も発行は続き、2026年8月時点では約2,007万BTC(上限の約95.6%)が発行済みです。残る約93万BTCは、今後114年ほどかけて徐々に発行されます。

年間のインフレ率(新規発行率)は半減期ごとに低下し、2024年の半減期後は約0.84%となりました。これは金の年間採掘量による希薄化率(後述するS2F比率約62の逆数にあたる、およそ1.6〜1.7%)を下回っています。

ビットコインの供給曲線はS字カーブに似ており、初期に急速に発行され、時間とともに漸近的に2,100万BTCに近づきます。

新規発行量は約 4 年ごとの半減期で半分になるため、累積供給は 2,100 万 BTC の上限に漸近し、2140 年ごろに新規発行が終わる。

05価格への影響

まず現在の状況から述べます。2024年4月20日の第4回半減期について言えば、その後に生じた上昇はすでに消えています。半減期当日のビットコイン価格は約64,000ドルでした。2025年10月6日に史上最高値の126,080ドルを付けましたが、2026年8月時点では約6.4万ドル前後(最高値から約5割下)で推移しており、半減期当日とほぼ同じ水準です。半減期から28ヶ月が経過した現在、差し引きの騰落はほぼゼロということになります。

過去4回について、半減期後12〜18ヶ月の高値をそれぞれ並べると、第1回後は約100倍、第2回後は約30倍、第3回後は約8倍、第4回後は約2倍でした。上昇の倍率は回を追うごとに一貫して小さくなっており、しかも第4回のその約2倍は、上に書いたとおり現時点では維持されていません。

上昇が語られてきた根拠としては、供給の減少(半減)と需要の維持・増加が重なることで、希少性プレミアムが価格に反映されるという仮説が知られています。

一方で、この仮説には有力な反論があります。①半減期で減る新規発行量は1日あたり数百BTC規模にすぎず、日々の取引高と比べると極めて小さい。②半減期の日付は何年も前から誰にでも計算でき、市場が効率的であれば事前に織り込まれているはずである。③4年周期に見えるものは、世界的な金融緩和と引き締めのサイクルといったマクロの流動性でも同じように説明でき、半減期が原因だと特定する材料がない。過去4回という標本数は、これらの説明を統計的に区別するにはあまりに少ない数です。

いずれにせよ、過去のパターンが将来も繰り返される保証はありません。本記事は価格の予想を行わず、観測された事実の記録にとどめます。投資判断はご自身の責任で行ってください。

半減期はマイナーの収益性にも直接影響します。報酬が半減すると、効率の低いマイナーは採算が合わなくなり撤退する傾向があります。これが「マイナーキャピチュレーション」と呼ばれる現象です。

機関投資家やETFの大量参入により、従来の4年サイクルが根本的に変化したのか、単に遅延しているだけなのか、市場では議論が続いています。現時点でどちらが正しいかを判定できる材料はありません。

06ストック・トゥ・フロー・モデル

ストック・トゥ・フロー(S2F)比率は、既存の供給量(ストック)と年間新規供給量(フロー)の比率です。この値が高いほど希少性が高いとされます。

金のS2F比率は約62(62年分のストックがある)。2024年の半減期後のビットコインのS2F比率は約120で、金を大幅に上回りました。

匿名アナリスト「PlanB」が提唱したS2Fモデルは、ビットコインの価格がS2F比率に対数的に相関すると主張し、大きな注目を集めました。

ただし、このモデルには批判もあります。過去のデータへの過剰適合(オーバーフィッティング)や、需要側の変数を無視している点が指摘されています。

理論上の批判にとどまらず、実証面でもモデルの予測は外れています。PlanBのモデルは2021年末に10万ドル前後を示していましたが、2021年12月末の実際の価格は約4.6万ドルでした。また、S2F比率と価格はどちらも時間とともに増加していく系列であるため、両者の高い相関は因果ではなく「見せかけの回帰」にすぎない、とする統計的な反証も公表されています。

07マイナーへの経済的影響

半減期はマイナーのビジネスモデルに直接的な影響を与えます。同じ計算力で得られる報酬が一夜にして半分になるため、マイナーは常にコスト効率の改善を迫られます。

半減期前後では、マイニング機器の大規模な世代交代が起こります。古い世代のASICは電力コストに見合わなくなり、最新世代の効率的な機器に置き換えられます。

マイナーの収益が減少すると一時的にハッシュレートが低下することがありますが、難易度調整メカニズムにより、残ったマイナーの収益性は回復します。

長期的には、取引手数料がブロック報酬に代わるマイナーの主要収入源になると予想されています。この移行がスムーズに行われるかどうかは、ビットコインの長期的な持続可能性にとって重要な問題です。

08今後の半減期と長期展望

次回の第5回半減期はブロック1,050,000で発生し、2028年春頃と見込まれます。マイニング報酬は1.5625 BTCに減少します。その後も約4年ごとに半減が続き、最終的に2140年頃に約2,100万BTC(正確には20,999,999.9769 BTC)の発行が完了する見込みです。

半減期を重ねるごとに新規発行量は微小になり、マイナーの収益構造は取引手数料への依存度が高まります。この移行がネットワークの安全性を維持できるかが、長期的な課題です。

ビットコインの供給スケジュールは完全に透明かつ予測可能であり、中央銀行の金融政策とは対照的です。この特性こそが「デジタルゴールド」としてのビットコインの信頼性の源泉となっています。

主な参照元

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ビットコインの経済学約10分
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引用情報 / Citation

Title
ビットコインの半減期とは
Source
ビットコイン図書館 (bitcoin.ne.jp)
Canonical URL
https://bitcoin.ne.jp/learn/halving
Author
KK siiiiiixth
Topic
halving
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変更履歴 / Revision history

  1. 主要な事実表を追加。価格節を再構成し、第4回半減期後の上昇消失と現況を冒頭へ、倍率列挙に第4回を追加、需給仮説への対抗仮説を対置。S2F の実証的破綻とハードフォークによる変更可能性を追記、供給比率を 2026年8月時点に更新。